SCG Open Milwaukeeの結果より

 10/22~23にかけて行われたSCG Modern Open Milwaukee
「カラデシュ」がリリースされてから初のSCG Openとなった訳ですが、どういった結果となったのでしょうか。
次のセットである「霊気紛争」が出るまでは大きな変化も無いでしょうし、今回の結果が今後のモダン環境の指標になるのは間違いないと思いますので、その辺りも非常に興味深いですね。

 

環境の指標

 今回の優勝はCaleb Durward氏のBant Spiritsでした。
Top8は上位から順に以下の通りです。

  1. Bant Spirits
  2. Ad Grace
  3. Dredge
  4. Titan Shift
  5. Affinity
  6. Jeskai Flash
  7. Naya Blitz
  8. Dredge

 ここに来てまさかのBant Spiritsの優勝です。
「イニストラードを覆う影」「異界月」で強化されたスピリットデッキが「カラデシュ」リリース後に優勝というのは非常に面白い結果となりましたね。
また最近では珍しくなったJeskai Flashも6位入賞と好成績を収めています。
さらにTop32までにDredgeが9名と勢力を伸ばしており、「カラデシュ」で追加された《安堵の再会》がいずれもフル投入されています。
相変わらず非常に速度のあるゲーム展開を持ち味とするデッキが上位を占めてはいますが、その中でも多少の変化が起きているようです。

 

Top8 DeckLists
1st / Bant Spirits(プレイヤー:Caleb Durward)

Main Deck
1 《平地
1 《
1 《
4 《溢れかえる岸辺
3 《霧深い雨林
3 《吹きさらしの荒野
1 《神聖なる泉
2 《繁殖池
1 《寺院の庭
2 《植物の聖域
1 《剃刀境の茂み
1 《魂の洞窟
1 《ガヴォニーの居住区
22 Lands

4 《無私の霊魂
4 《霊廟の放浪者
4 《鎖鳴らし
2 《幻影の像
4 《貴族の教主
4 《ドラグスコルの隊長
4 《呪文捕らえ
3 《聖トラフトの霊
29 Creatures

 
3 《流刑への道
4 《集合した中隊
2 《神格の鋼
9 Spells

60 Mainboard Cards

Sideboard
1 《流刑への道
2 《神聖な協力
3 《安らかなる眠り
3 《石のような静寂
2 《クァーサルの群れ魔道士
1 《ロウクスの戦修道士
1 《呪文滑り
2 《仕組まれた爆薬
15 Sideboard Cards

 優勝はCaleb Durward氏のBant Spiritsとなりました。
最近では同じ色の組み合わせで結果を残している聖遺撤退デッキのマスターピースとなっている《無私の霊魂》と《呪文捕らえ》がこちらもフル投入されています。
ドラグスコルの隊長》で強化しつつ単体除去に耐性を持たせ、《無私の霊魂》で全体除去もカバーできるのは非常に理にかなっていますね。
幻影の像》が《ドラグスコルの隊長》に化ければ、非常にサイズのある飛行クロック達が除去をモノともせず攻めてくるのは圧巻でしょう。
最近のモダンではこういった横並びしつつ戦線を強化するデッキが減っており、そういったものに対する耐性が下がっていたのも今回の優勝の要因の1つではないでしょうか。
また《鎖鳴らし》で殆どの生物が瞬速でプレイできるため、急に打点が伸びる等で対処が難しいのも魅力的な点ですね。
まだまだ改良の余地があるかもしれませんが、非常にユニークで強力なデッキだと思われるので、今後の活躍にも注目したいところです。

 

2nd / Ad Grace(プレイヤー:Samuel Jadin)

Main Deck
1 《
4 《闇滑りの岸
4 《金属海の沿岸
1 《欺瞞の神殿
3 《啓蒙の神殿
1 《静寂の神殿
4 《真鍮の都
1 《トレイリア西部
1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ
1 《戦慄艦の浅瀬
21 Lands

1 《研究室の偏執狂
4 《猿人の指導霊
5 Creatures

 
4 《天使の嗜み
3 《ファイレクシアの非生
3 《大霊堂の戦利品
4 《むかつき
3 《否定の契約
4 《血清の幻視
4 《手練
1 《稲妻の嵐
4 《睡蓮の花
4 《五元のプリズム
34 Spells

60 Mainboard Cards

Sideboard
1 《ファイレクシアの非生
4 《神聖の力線
1 《否定の契約
3 《ハーキルの召還術
1 《殺戮の契約
2 《思考囲い
1 《エスパーの魔除け
2 《呪文滑り
15 Sideboard Cards

 2位はAd Graceでした。
このデッキも最近はしっかりと結果を残しており、今ではモダンを代表するコンボデッキの1つと言っても過言ではないでしょう。
メインボードは基本に忠実な作りであり、マナ基盤に調整の過程が非常に表れている感じですね。
注目すべきはサイドボードであり、多く見かけるサイド後の大型生物プランもなければ、主にInfect対策で採用される《暗黒/Darkness》系のカードも採用されていません。
2枚《呪文滑り》が採用されているので、対Infectはそこでといった感じでしょうか。
また《トレイリア西部》があるのに《すべてを護るもの、母聖樹》が採用されていないのも目を引きます。
かなり個性的なサイドボードだと思われますので、使用感が非常に気になりますね。

 

3rd / Dredge(プレイヤー:Kent Ketter)

Main Deck
2 《
4 《黒割れの崖
4 《銅線の地溝
2 《ダクムーアの回収場
4 《マナの合流点
4 《宝石鉱山
/Gemstone Mine
20 Lands

4 《ナルコメーバ
4 《恐血鬼
4 《臭い草のインプ
4 《傲慢な新生子
4 《ゴルガリの墓トロール
4 《秘蔵の縫合体
24 Creatures

 
1 《農民の結集
1 《集団的蛮行
4 《信仰無き物あさり
4 《安堵の再会
3 《燃焼
3 《壌土からの生命
16 Spells

60 Mainboard Cards

Sideboard
1 《暗黒破
2 《集団的蛮行
1 《稲妻の斧
1 《古えの遺恨
3 《自然の要求
2 《骨までの齧りつき
2 《突然の衰微
2 《ゴルガリの魔除け
1 《ボジューカの沼
15 Sideboard Cards

 3位はDredgeです。
最近少し大人しくしているなぁと思っていましたが、《安堵の再会》なんてカードを手に入れたら増えますよねー。
恐ろしいまでにデッキに噛み合ったドロースペルの登場で、さらに脅威的なデッキになったと言っても差し支えないでしょう。
その他の変更点としては、フェッチランドとショックランドを採用せずに《マナの合流点》の採用と《ダクムーアの回収場》を追加してマナ基盤を構築し直した点でしょうか。
探す土地自体が非常に少ないですし、そもそもそこまで土地を並べる前に勝負を決めたい類のデッキなのでSOMランドと5色土地の追加で十分といったところしょうか。
フェッチランドを無くしたことで、《恐血鬼》とのシナジーが少し減りましたが、そこは《ダクムーアの回収場》の枚数を増やして解決したといった感じですね。
また、一撃の威力を高めるために《農民の結集》も採用されており、隙あらば一気に倒しに来る姿勢が見て取れます。
こういったマナ基盤の見直しなんかも、勝敗には大きな影響を与えるものですし、今後はこういったタイプが主流になるかもしれませんね。

 

4th / Titan Shift(プレイヤー:Jeremy Jung)

Main Deck
8 《
2 《
4 《樹木茂る山麓
2 《霧深い雨林
1 《吹きさらしの荒野
4 《踏み鳴らされる地
2 《燃えがらの林間地
4 《溶鉄の尖峰、ヴァラクート
27 Lands

4 《桜族の長老
4 《原始のタイタン
8 Creatures

 
4 《稲妻
2 《神々の憤怒
2 《召喚士の契約
4 《探検
2 《遥か見
4 《明日への探索
4 《風景の変容
3 《カルニの心臓の探検
25 Spells

60 Mainboard Cards

Sideboard
1 《突然のショック
1 《神々の憤怒
1 《シルヴォクののけ者、メリーラ
3 《強情なベイロス
2 《自然の要求
2 《虚空の杯
2 《仕組まれた爆薬
2 《大祖始の遺産
1 《三なる宝球
15 Sideboard Cards

 4位はTitan Shiftです。
Tron系のデッキが減少傾向にあるので、最近では土地系コンボと言えばこちらが主流になってきたかもしれませんね。
メインボードは一般的な構成で、サイドには苦手なデッキ用の各種対策が惜しみなく採用されている感じでしょうか。
中でも面白いのは《三なる宝球》ですね。
こちらも多少なりとも影響は受けますが、マナ加速によって殆ど気にならないでしょうし、相手の動きを抑えつつ時間を稼ぐにはいいカードです。
またバリエーションが豊富なのもこのデッキの強みの1つです。
裂け目の突破》と《引き裂かれし永劫、エムラクール》を採用するタイプ、青を足してコントロール力を上げて純粋に《風景の変容》で勝つScapeshiftと、その時のメタゲームでより使いやすいものをチョイスできるのは大きな魅力ですね。

 

5th / Affinity(プレイヤー:Paul Myers)

Main Deck
1 《
4 《空僻地
4 《ちらつき蛾の生息地
4 《墨蛾の生息地
4 《ダークスティールの城塞
17 Lands

4 《大霊堂のスカージ
2 《エーテリウムの達人
/Master of Etherium
3 《メムナイト
4 《羽ばたき飛行機械
4 《信号の邪魔者
4 《電結の荒廃者
4 《鋼の監視者
2 《刻まれた勇者
27 Creatures

 
4 《感電破
4 《オパールのモックス
4 《バネ葉の太鼓
4 《頭蓋囲い
16 Spells

60 Mainboard Cards

Sideboard
2 《呪文貫き
2 《思考囲い
2 《古えの遺恨
2 《鞭打ち炎
2 《ギラプールの霊気格子
1 《呪文滑り
2 《刻まれた勇者
1 《虚空の杯
1 《墓掘りの檻
15 Sideboard Cards

 5位はAffinityとなりました。
最近は少し減少傾向にありますが、元祖メイン最強デッキはやはり伊達ではありませんね。
非常に多くのデッキが存在するモダンでは全てのデッキを見るのは難しく、このデッキでさえもガードが下がる瞬間があるので、そういったタイミングでは一気に上位を占拠することもあり、まだまだポテンシャルの高さが伺えます。
メイン・サイド共に、非常に基本に忠実な構成であり、これぞAffinityといった感じでしょうか。
その時の環境に合わせて、《エーテリウムの達人/Master of Etherium》と《刻まれた勇者》の枚数が変動するのもいつもの事ですからね。
今回のリストでは残念ながらアーティファクトをフィーチャーした「カラデシュ」で得たものは無いようですが、今後どういった感じで研究が進むか楽しみです。

 

6th / Jeskai Flash(プレイヤー:James Johnson)

Main Deck
1 《平地
2 《
1 《
3 《溢れかえる岸辺
3 《沸騰する小湖
1 《乾燥台地
1 《神聖なる泉
2 《蒸気孔
1 《聖なる鋳造所
1 《魂の洞窟
4 《天界の列柱
1 《硫黄の滝
1 《永岩城
2 《幽霊街
24 Lands

1 《エイヴンの思考検閲者
4 《瞬唱の魔道士
1 《ヴェンディリオン三人衆
3 《呪文捕らえ
4 《聖トラフトの霊
13 Creatures

 
4 《流刑への道
3 《血清の幻視
1 《呪文嵌め
2 《マナ漏出
2 《差し戻し
2 《謎めいた命令
4 《稲妻
4 《稲妻のらせん
1 《電解
23 Spells

60 Mainboard Cards

Sideboard
2 《コーの火歩き
1 《天界の粛清
1 《安らかなる眠り
1 《石のような静寂
1 《払拭
2 《否認
2 《神々の憤怒
1 《摩耗 // 損耗
2 《至高の評決
1 《仕組まれた爆薬
15 Sideboard Cards

 6位にはJeskai Flashが入りました。
最近のJeskaiのデッキと言えば、《引き裂かれし永劫、エムラクール》と《先駆ける者、ナヒリ》のコンボパッケージを内蔵したコントロールが主流でしたが、ここにきてのFlash型入賞は非常に面白いのではないでしょうか。
攻撃的なデッキでの《呪文捕らえ》は相手の行動を封じながらクロックを追加できる非常に優秀なカードですし、《謎めいた命令》もタップモードを含め全てのモードが強力に作用するので、その点ではコントロールよりもこういったデッキの方が相性が良いと言えるでしょう。
聖トラフトの霊》も非常に打点が高い生物であり、速やかにゲームを終わらせる事が可能なのも素晴らしいですね。
クロックパーミッションのお手本とも言えるような構成に仕上がっており、今後の活躍にも期待が持てるデッキなのではないでしょうか。

 

7th / Naya Blitz(プレイヤー:Michael Janny)

Main Deck
1 《
1 《
4 《吹きさらしの荒野
4 《樹木茂る山麓
1 《乾燥台地
2 《聖なる鋳造所
2 《踏み鳴らされる地
2 《寺院の庭
1 《ドライアドの東屋
/Dryad Arbor
18 Lands

4 《ゴブリンの先達
4 《密林の猿人
4 《無謀な奇襲隊
4 《野生のナカティル
4 《実験体
4 《タルモゴイフ
4 《炎樹族の使者
2 《ゴーア族の暴行者
30 Creatures

 
4 《流刑への道
4 《稲妻
4 《アタルカの命令
12 Spells

60 Mainboard Cards

Sideboard
2 《スレイベンの守護者、サリア
2 《石のような静寂
1 《渋面の溶岩使い
2 《破壊的な力》※
1 《漁る軟泥
3 《稲妻のらせん
2 《跳ね返す掌
2 《墓掘りの檻
15 Sideboard Cards

 7位はNaya Blitzです。
このリストでは《僧院の速僧》は採用されておらず、代わりに《タルモゴイフ》が採用されています。
タルモゴイフ》のサイズを能動的に上げにくいので採用されない事が多いのですが、序盤を凌がれた際のひと押しといった感じでしょうか。
他の生物はタフネスが低いため、火力による全体除去に対する耐性面や、《仕組まれた爆薬》の影響を少しでも減らすためといった理由もあるのかもしれません。
そしてサイドボードには何故か《破壊的な力》が…しかも2枚。
恐らく《壊滅的な召喚》の間違いではないかと思われるのですが、どうなんでしょうかね。
もし本当に《破壊的な力》ならそれはそれで面白いのですが…

 

8th / Dredge(プレイヤー:Jacob Baugh)

Main Deck
2 《
4 《黒割れの崖
4 《銅線の地溝
2 《ダクムーアの回収場
4 《マナの合流点
4 《宝石鉱山
/Gemstone Mine
20 Lands

4 《ナルコメーバ
4 《恐血鬼
4 《臭い草のインプ
1 《憑依された死体
4 《傲慢な新生子
1 《災いの悪魔
4 《ゴルガリの墓トロール
4 《秘蔵の縫合体
26 Creatures

 
1 《暗黒破
4 《信仰無き物あさり
4 《安堵の再会
3 《燃焼
2 《壌土からの生命
14 Spells

60 Mainboard Cards

Sideboard
2 《集団的蛮行
4 《虚空の力線
1 《稲妻の斧
1 《古えの遺恨
2 《自然の要求
1 《骨までの齧りつき
2 《突然の衰微
2 《ゴルガリの魔除け
15 Sideboard Cards

 8位もDredgeが入賞です。
こちらも3位の方と同じくフェッチ、ショックランドは無しで《マナの合流点》の採用と《ダクムーアの回収場》の追加です。
生物も《災いの悪魔》という珍しいチョイスがあり、《町民の結集》と同じく、打点を上げて一気に勝負を決めに行くのが最近では好まれるようです。
またメインの《暗黒破》も数の多いInfecrtをにらみつつ発掘でデッキの潤滑油にもなるので、メタゲームを見ての調整結果といったところでしょうか。
さらに両者共にサイドに《ゴルガリの魔除け》を2枚取っており、《安らかなる眠り》や《虚空の力線》といった墓地対策エンチャントをしっかり考慮しての採用になっていると思われます。

 

Day 2 Metagame Breakdown

 2日目のメタゲームブレイクダウンは以下の通りです

  1. Dredge 11
    Burn 11
  2. Infect 8
  3. Affinity 4
  4. Bant Eldrazi 3
    Jund 3
    Elves 3
  5. Abzan 2
    Ad Nauseam 2
    Scapeshift(Titan Shift含む) 2
    Zoo(Blitz含む) 2
    Lantern Control 2
    Bant Spirits 2
  6. その他(使用者1名) 16

 最近大人しくしていたDredgeが最大勢力へ駆け上がりました。
やはり「カラデシュ」で追加された《安堵の再会》は非常にデッキにマッチしているようで、今大会でも9名のプレイヤーをTop32に送り込み、その全てで4枚採用されています。
このカード1枚で爆発的に墓地を肥やす事が可能になり、ここまで好成績を収める事の原動力になったといっても過言ではないでしょう。
また、BurnもDredgeと同じ人数が2日目に進出しており、メタゲーム的にも非常にいい位置にまた戻ってきたのかなといったところです。

 

これからどう変化していくか

 まだまだ高速デッキが幅を利かせる環境ですが、その合間を縫ってBant SpiritsやJeskai Flashのようなデッキも姿を見せており、より一層混沌とした状態になってきています。
記事の作成が遅くなってしまい、次の大型イベントとなるGP Dallasは今日から開催されますが、そこではどういったデッキが活躍するのでしょうか。
今回のSCG結果との比較を含め、カラデシュ後の環境の変化がどういったものになるのか、楽しみですね。

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独楽

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