新セット評価:アモンケット

 ニコル・ボーラスがテーマの1つという事もあり、非常に注目度の高いアモンケット。
そんな最新セットも、気が付けばもう今週末には発売します。
1ブロック2エキスパンションになってから、ブロックの交代が早い早い…。
何はともあれ、モダンでももちろん使用可能であるこのアモンケットのカードを、今回も見て行きましょう。

 

アモンケットの気になるカードたち
《副陽の接近/Approach of the Second Sun》


 新たな勝利条件カード。
このカードの魅力的な部分は、完全にこのカード1枚のみで勝利条件を満たせるという点です。
(2枚目を積む必要すらありません。)
勝利条件を満たすのは2回目のキャスト時となりますが、1回目の場合にも7点のライフゲインとして延命手段になります。
それでもやはり、問題となるのはその重さでしょうか。
非常に速い現在の環境で、7マナ払って7点ゲインなんて事が許されるとは思えません。
環境が遅くなれば、或いはこういったカードを上手く扱うビルダーに期待したいです。

 

《排斥/Cast Out》

 《払拭の光》の亜種。
1マナ重くなった代わりに瞬速を持ち、更にはサイクリングまで付きました。
瞬速がある事ももちろん嬉しいのですが、それ以上にこういったカードにサイクリングが付いているのは嬉しいですね。
このカードは汎用性が高い(それでも普通はメインから入れたいものでは無い)ですが、例えば《造反者の解放》のようなサイド向けのカードにサイクリングが付くと、効かない相手にも最低限のキャントリップとして扱える為、メインから採用する事も不可能では無くなってきます。
サイクリングとして扱った場合には、あまり墓地に落ちないエンチャントが落ちる事になる為、《タルモゴイフ》の成長や、昂揚の手助けが可能です。
また4マナと重い部類ではありますが《突然の衰微》に対して耐性があるのは利点の1つと言ってもいいかもしれません。

 

《試練に臨むギデオン/Gideon of the Trials》

 アモンケットで最も話題となったカードであろう新ギデオン。
モダンでは、Ad Graceでの使用が噂されていますが…、殴り落される《ファイレクシアの非生》なんて必要あるのでしょうか。
突然の衰微》圏内であるのは変わらず、クリーチャーと火力への耐性が落ちる…イマイチ魅力的だとは思えません。
(どちらかと言うと対コンボカードな気がしないでもないです)
純粋にPWとして運用するにしても自衛能力が貧弱であり、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》より優先される場面も少なそうです。
ただ、3マナになろうともクリーチャー化能力が依然強力な点だけは評価したいところです。

 

《療治の侍臣/Vizier of Remedies》

 《台所の嫌がらせ屋》を始めとする頑強生物たちの新たな相棒の登場です。
これまで利用されてきた《族樹の精霊、アナフェンザ》と違い、マナ拘束が緩く、トークンにも対応します。
また、《献身のドルイド》と組み合わせれば、無限マナコンボにもなります。
集合した中隊》や《召喚の調べ》を扱えば揃える事もそう難しくも無く、モダンで見かける機会も出てきそうです。

(Channel Fireballにてこのコンボを採用した記事が公開されております)

 

《予言により/As Foretold》

 今回最も怪しいカード。
呪文版《霊気の薬瓶》なんて言われたりしますが、書いてある事はそれよりよっぽど強力です。
(何となくインスタント・ソーサリーだけっぽい雰囲気なんだけど…)
霊気の薬瓶》との大きな違いとして、《予言により》ではカウンターの数を唱えたい呪文と揃える必要が無く、各ターン(自分のターンも相手のターンにも)に1度使用する事が出来ます。
このカードの登場により、置いたターンにそのままキャスト出来る待機呪文各種は大きく注目されています。
祖先の幻視》、《均衡の復元》…、そして《睡蓮の花》。
Ancestral Recall》、《天秤》、《Black Lotus》と言われれば、その期待の大きさも分かるというものです。

 《霊気の薬瓶》と違ってマナコストを固めたりする必要が無い分自由度は高くなりますが、その構築の幅の広さは構築の難しさにも繋がるでしょうか。
晴れる屋では既に《均衡の復元》を軸としたサンプルデッキが紹介されており、今後どのように活用されていくのか楽しみな1枚です。

 

《ヒエログリフの輝き/Hieroglyphic Illumination》

 インスタントドローとしては通常通りのコストパフォーマンスを持ちながら、サイクリングまで備えたカード。
モダン環境での4マナは軽いとは言えませんが、序盤には最低限のキャントリップとして運用出来る事を考えれば、遅いコントロールデッキでは魅力的な1枚です。

 

《明日からの引き寄せ/Pull from Tomorrow》

 引き続きインスタントドロー呪文ですが、こちらはXによる可変式のものです。
スフィンクスの啓示》や《青の太陽の頂点》のように、通常この手のものでは頭金としての3マナが必要となってきますが、このカードでは1枚のディスカードと引き換えに、2マナに落とされています。
単純に掘れる枚数が多くなりますし、ある程度大きな値でキャストする場合には不要になった土地などで賄える為、非常に強力に見えます。

 

《死の権威、リリアナ/Liliana, Death’s Majesty》

 5マナで登場した新たなリリアナ。
5マナのPWとしては少々地味なのですが、能力が良くまとまっているのは好印象です。
プラスと小マイナスはどちらも自衛とアドバンテージ獲得が可能でありながら、プラスの《石臼》効果によってそれぞれがキレイに繋がっています。
小マイナスからリアニメイトされたクリーチャーはゾンビ化しており、大マイナスによって破壊されないのも面白いですね。
モダンの5マナ以上のPWは求められるものがとても大きいのですが、リアニメイト能力にコスト制限などもありませんし、ある程度の期待はしておきたいですね。

 

《野望の試練/Trial of Ambition》

 生贄を要求する、所謂布告系呪文のエンチャント版です。
これ単体では何も魅力は無いのですが、今後もし採用に値するカルトーシュが登場すれば、再利用出来る除去呪文として多少の価値が出てくるかもしれません。

 

《力ずく/By Force》

 複数のアーティファクト破壊が可能な呪文はこれまでにも使用に耐えるものが複数存在していましたが、今回も十分可能性を感じる1枚です。
特に《破壊放題》とは比較対象であり、赤マナ要求の差によって唱えやすい分、コピーを作るそれとは違い、打ち消しに弱いなどメリットデメリットがそれぞれにあります。
序盤からも十分使いやすい範囲なので、《汚損破》とも比較検討されるでしょうか。

 

《過酷な指導者/Harsh Mentor》

 最近のメリット能力持ちの熊は、なかなか強烈なものが多いですね。
熊と2点ダメージの組み合わせとなると《大歓楽の幻霊》が思い起こされますが、今回のこれは一部の起動型能力に反応します。
フェッチランドで3点ダメージや、装備品等の他、クリーチャーとなると《電結の荒廃者》や《漁る軟泥》等々、その範囲は想像以上に広いです。
TronやAffinityに対しては想像以上のダメージを叩きだしてくれそうで、モダンでの活躍もそこそこ期待出来そうです。
Lantern Controlを使っていてコレを出されたら…想像したくもないですね。

 

《熱烈の神ハゾレト/Hazoret the Fervent》

 赤まで来て、ようやく神の登場です。
手札が1枚以下で無いと戦闘に参加出来ませんが、本人の能力によって補完されています。
その補完する能力も、後半無駄な土地引き等を本体2点火力に変換出来ますし、おまけと言うには十分過ぎるものです。
ヴェールのリリアナ》によって手札が殆ど無い状態にもなりやすいJund等で、可能性がありそうです。
むしろJund対策に…というのも無しでも無さそう。

 

《焼けつく双陽/Sweltering Suns》

 ただの3点全体火力ですが、これもまたサイクリングのおかげで完全に無駄にはなりません。
中速以降のデッキにおいて、こういったカードがメイン採用の選択肢として登場してくれるのは有り難い限りです。
肝心のサイクリングコストがちょっと重すぎますけどね…。

 

《刻み角/Manglehorn》

 ETBでアーティファクトを破壊出来るビースト。
ヴィリジアンの堕落者》や《再利用の賢者》がいる現状、使いどころはほぼ無いのですが、ビーストである事が活かせるデッキが登場すれば…。

 

《不屈の神ロナス/Rhonas the Indomitable》

 緑の神は、その条件達成の容易さが魅力的です。
条件達成が出来るものとしては基本サイズの《タルモゴイフ》や昂揚達成後の《残忍な剥ぎ取り》、最近では《死の影》なんかもありますね。
特に《包囲サイ》まで加わるAbzan Junkでは、殆どのクリーチャーで条件が達成出来ます。
自身の能力で条件達成を目指す事も出来ますし、《集合した中隊》の範囲内でもあったりと、ある程度の期待が出来る1枚です。
ただし、単体では全く何もしないので、やはり過信は禁物でしょう。

 

《サンドワームの収斂/Sandwurm Convergence》

 毎ターン5/5のワームが生産される派手なエンチャント。
飛行を止められる効果も、《未練ある魂》の多い現環境では無視できない一文です。
僅かながらGx系のDevotion/信心デッキが最近活躍していますし、そこで採用される可能性もあり得るのではないでしょうか。

 

《腹背 // 面従/Failure // Comply》

 今回の分割カードはろくなものが無い中、このカードだけは光るものがあります。
実質的に2回呪文を止められるこのカードは、コンボデッキに対する時間稼ぎとしては《差し戻し》と比べるだけの価値はありそうです。

 

サイクリングランド各種

 友好2色の組み合わせで、いよいよモダンにも姿を現したサイクリングランド。
その登場もあってか、《壌土からの生命》は既に高騰したりしていますが…。
よりカードプールの広いレガシーでは、Aggro Loam/アグロロームと呼ばれる《壌土からの生命》をメインエンジンとしたデッキが存在しており、モダンで使用可能なサイクリングランドの登場によって、同様のデッキがモダンでも成立するのか注目されています。

 また、青絡みのものは遅いコントロールデッキでの無駄な土地引き対策として使用される可能性や、黒赤のものはDredgeでの可能性を感じさせます。
基本地形タイプまで持ち、カード自体が強力な事は間違いなく、モダンでどういった影響を見せるのか非常に楽しみなサイクルです。

 

Living Endを強化しそうなカードたち

 サイクリングの再登場によって、モダンにおいて最も注目されているのがLiving Endデッキの強化でしょう。
収録されたカードの中にはサイクリングを持った強力なクリーチャーも多く、これらの中から新しく採用されるものは出てきそうです。
砂漠セロドン》はサイクリングコストが1マナと軽く、これまでLiving Endで採用されてきたどのクリーチャーよりも高いパワーを誇ります。
イフニルの魔神》は、サイクリングコストこそ2マナと少し重いのですが、-1/-1カウンターをバラ撒く能力は非常に強力です。
飛行を持っている所も優秀ですね。
大いなるサンドワーム》もまた、サイクリング2マナと少し重いのですが、その大きなサイズと小粒にブロックされない能力には魅力があります。

 これまで、通常Living Endと言えば黒赤緑のジャンド・カラーだったのですが、青いカードにも今回魅力的なものが出てきました。
秘法の管理者》は《イフニルの魔神》と同じく飛行を持っており、サイクリングコストもたった1マナです。
戦場に出た後も、地味ながら強力な能力を備えています。
ドレイクの安息地》は、どちらかと言えばサイドボード後に可能性を感じるカードです。
墓地対策がされようとも、サイクリングを強力に運用していけるこのカードは、サイド後の軸のずらしとして活用が可能です。
続唱に引っ掛からないので、メインの戦略を邪魔しない基準点もクリアしていますしね。

 

アモンケット総評

 最近は毎セット、モダンで可能性を感じる…と言うよりは、むしろそれ以上に「強そうだ!」と感じるカードが多かったのですが、今回のアモンケットはそれほどのカードは殆ど無かったように思います。
Living Endに関してだけは朗報でしょうが、それ以外では環境に大きな影響を与えるものは無さそうです。
Living End自体も強化こそされますがデッキの本質が変わる訳でも無く、一時的に数が増える事はあろうとも立ち位置はそれほど変わらないのでは無いかと考えています。

 しかしそうは言っても、毎度毎度何かしらがモダンでは活躍してきています。
1つ前の霊気紛争でも、分かり切っていた《致命的な一押し》以外にも、《遵法長、バラル》や《歩行バリスタ》等はモダンで活躍している真っ最中です。
現状、まだまだモダンでは新セットの与える影響は大きく、今回もモダンを動かすカードがアモンケットから登場する事に期待したいですね。

The following two tabs change content below.
Avatar

Avatar

Twin BANで逝った人。
Ads by Google

Add a Comment

メールアドレスが公開されることはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)